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2007年12月19日 (水)

ジフテリア毒素から卵巣ガン治療薬

ジフテリア菌の産生するジフテリア毒素。この毒素の受容体は細胞表面に存在するHB-EGFという膜タンパク質である。また、このタンパク質は細胞増殖因子という第二の側面も持つ。細胞増殖因子は何らかのガンに関係する場合が多いらしいが、このHB-EGFもその例に漏れず卵巣ガンと有意な相関があるらしい。

このジフテリア毒素はポリペプチド鎖なのだが、A鎖とB鎖から構成され、前者は毒素としての働き、後者はHB-EGFに結合して毒素を細胞内に取り込ませる働きをしている。

一方、HB-EGFの細胞増殖因子という側面。このタンパク質の一部、sHB-EGFという部分が細胞増殖因子としての役割を果たす。ジフテリア毒素のB鎖は、このsHB-EGF部分に結合するので、ジフテリア毒素が結合したHB-EGFは細胞増殖因子としての機能を失う。

そこで、A鎖部分に変異を持つ無毒化したジフテリア毒素変異体(CRM197)を卵巣癌患者に投与する。B鎖部分をHB-EGFに結合させ、それを細胞増殖因子として働かせない事で癌を抑える。

このCRM197を使った臨床試験が今月から始まったそうだ。

という話を、今日の「病気のバイオサイエンス」という講義で聴いてきた。

はて、それならば、A鎖のミュータントなど使わずに、B鎖だけを投与すればいいのでは?

講義終了後に講師の先生に質問したところ、「B鎖は疎水性なので、それだけではアグリゲート(?)してしまう」そうです。要するに、A鎖もB鎖も必須、しかし、そのままではジフテリア毒素なので、無毒な変異体を使うということでした。

なるほどね。

先生といろいろ話していたら、「君は学士入学?」と、訊かれてしまった。ひどい、ひどすぎる。そりゃ、自分は老け顔だが、学士入学だなんて。自分はれっきとした一回生です!!

その後先生に、所属学部を訊かれ、薬学部と答えると、「いやぁ、あんまり質問されることもないんでね」とのこと。そうでしたか。顔で判断されたのでは無い様です。

一安心。

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