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2008年8月 7日 (木)

一本釣り

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しばらく前、JAISTが大阪モノレール千里中央駅構内に掲示していた大学院生募集のポスターである。千里中央と言えば、浪速大学豊中キャンパスへも吹田キャンパスへも行ける乗換駅。そこに掲示すると言うことは、明らかに、浪速大学の学生を狙って正確に餌をキャストしている。

しかしだ、学歴ロンダリングの観点からすると、浪速大学生がJAISTに行くかなぁ。JAISTというと、石川県金沢市から産業道路を野々市の方に南下したとき、突如山の中にそびえ立って現れるビル。大学が異様に多い石川県の中でも、大学院大学というマイナーな存在。石川県では知られていても、このポスターを見たモノレール千里中央駅を利用する通勤の人々は、おそらく知らないのではないだろうか。

多分、そういうマイナーな大学に学歴ロンダリングしようと思う学部学生もいないかと思う。

もっとも、自分は浪速大学が大学院のヒエラルキーの上の方にあるという意識はないから、浪速大学からJAISTへの学歴ロンダリングは方向が逆だと言うつもりもない。文系の世界ではそれはよくある話なのかもしれないが、学歴ロンダリングも理系の世界ではあまり意味をなさない。

高校生が大学を選ぶというときには、大学の偏差値が一つの基準となる。できるだけ上の大学に入りたいと思う。しかしだ。理系の学部学生が大学院を選ぶときに、偏差値を基準に考えることはない。大学院の偏差値なんてどこも公表していない。学部学生が大学院を選ぶ理由は、そこに行きたい研究室があるかどうかだ。自分のやってみたい研究を行っている研究室があるか。指導してほしい先生がいるかどうか。その一点だ。

だから、たとえ「4年で博士の学位」が取れて「奨学金を年間120万円」もらったとしても、魅力的な先生がいなければ、学生は行かないと思うのだが、どうだろう。

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コメント

はじめまして

いつも読ませていただいています。

かわいそうなフリーター博士を量産するだけですね。
犯罪にならないなら、そんなポスターは破って捨てて、未来のフリーター博士を救済したいものです。

投稿: | 2008年8月 7日 (木) 09時43分

聞くところによると、博士課程前期課程の入学定員が大幅に増えたのは10年ほど前からということですが、本当なのでしょうか。

それに伴って、後期課程まで行ってしまう人も増えたのでしょうね。

博士の人が就職できたとしても、たいていは任期付き。要するにパートの研究者なわけです。真にパーマネントの職に就けるのは、本当に才能のある一握りの人。

厳しい世界ですね。

投稿: シュナッペル | 2008年8月 7日 (木) 21時46分

もうご存知かもしれませんが、最近読んだこちらの本にこの問題は詳しいです。


高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書) (新書)
水月 昭道 (著)

投稿: | 2008年8月 8日 (金) 11時47分

ご紹介ありがとうございます。
是非読んでみたいと思います。

投稿: シュナッペル | 2008年8月 8日 (金) 22時23分

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