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2009年2月18日 (水)

どう考えても精子です

先日おこなわれた生物化学IIの期末試験。資料持ち込み可の記述式。その中の一問に、

アポトーシスについて説明せよ。またアポトーシスの例を五つあげよ。

というものがあった。そのことについては配布のレジュメに詳しく説明してあるし、教科書のコピーもあるから前半はバッチリ書けた。しかし、具体例を五つとなると…。

胚からの発生段階で消える手の水かき。オタマジャクシのしっぽ。ガン化した細胞。などなどは書けたのだが最後の1つが思いつかない。

ちなみにアポトーシスとはプログラムされた細胞死のこと。不要になった細胞が秩序正しく、周りに悪影響を与えない方法で処理され無くなっていくことである。いわば自治体が回収しにくる生活ゴミ。これに反してネクローシスとは統制の取れていない細胞死のこと。やけどや怪我、細菌による感染など予期せぬ状況で細胞が破壊されること。いわばゴミの不法投棄。

正確に言うと思いつかなかったわけではない。昔、知り合いの女の子ののど仏が大きくなってきた。ガンか?と心配したのだが、これは体が発生するときの後始末の残り。体が作られる過程で甲状腺が形成される際に甲状腺管というものが生じるのだが、普通はそれがアポトーシスにより無くなる。なくならないと嚢胞として残るのだそうだ。それが大人になって大きくなり、のど仏のようにポコリ膨らんでくる。正式には正中頸嚢胞という。状況は思い浮かんだのだが、どうしてもテストの時にこの名前が出てこなかった。

こういう名前はテストの時に思いつかなくても、その日大学から帰る電車の中でふと思い出すものである。悔しい限りだ。

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教科書に載っていないアポトーシスの例、それは精子。通常、精子は射精される。その後は卵子と出会い受精するか、腐敗してしまうかのどちらかである。射精されなかった精子は体内で分解処理される。不要物として粛々と分解廃棄されるわけだから、この過程もアポトーシスだよな。核と鞭毛しかないような精子にアポトーシスを司るカズパーゼの系が存在するかどうかは疑問であるが、その分解過程は少なくともネクローシスではあるまい。

これも電車の中で思いついた。男子なのだからテスト時間中に思い出さなくてどうする、という話である。

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コメント

別件でアポトーシス関連のことを調べていて、近場の学生さんが精子のアポトーシスに関して記述されていたのでコメントします。

精子は精巣上体に蓄えられていますので、使用されなかった精子がアポトーシスするとすればここになります。PubMedでepididymis, sperm, apoptosisで検索しましたが、そこそこの論文が100件ほどしかみつかりませんでした。タイトルをみても異常状態におけるアポトーシスの記述が主になっています。この状態だとおそらくアポトーシスは主役ではないでしょうね。

これまでのこの業界の一部のヒトはepididymisの壁から吸収されて消化されると思っています。しかし精子の頭部はそう簡単には消化できないのにも関わらず、epididyminの細胞に食されている図がほとんど見えません。というわけでここはまだ良くわかっていないということになると思います。下記は壁から吸収されるという論文に対してそんなことはないはずという抗議文です。

http://jcs.biologists.org/content/115/1/5.long

何かのおりには受精にも興味を持って下さい。

投稿: おかべ | 2014年4月 1日 (火) 12時26分

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