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2010年3月17日 (水)

恩師の最終講義を聴いてきた

先週あたり、鳩山首相が発言が二転三転していることを指摘され「宇宙の本質は揺らぎである」と答弁していた。おそらく誰かに入れ知恵されたのかと想像するが、この答弁はいただけない。一般の人にとってみれば、万物揺らいでいると言われてもナンノコッチャと思われるだけだし、専門家からみれば、宇宙は揺らいでいるが生き物はその揺らぎを上手に制御して何らかのアウトプットを得るものだと突っ込むだろう。

彼には上等なスピーチライターはいないのだろうか。

さて、生物と機械の違いの本質は揺らぎであると20年以上前から提唱されてきたのが、大阪大学生命機能研究科の柳田敏雄教授(www.phys1.med.osaka-u.ac.jp)である。昨日は先生の最終講義ということで大阪大学銀杏会館へ行ってきた。

ちなみに、柳田先生は私の恩師である。

薬学部の二人の教授の最終講義を聴いた経験から、早くに席が埋まることはわかっていたので、講義開始の30分以上前に会場へ。誰もいないかなと思っていたのだが、そんなことはない。先生の研究室出身のヒトや先生のプロジェクトで研究していたヒトが既に多数お集まりである。遠くは仙台からも。二十年以上も前に研究室を卒業された方々も先生を慕って駆けつけられていた。さながら同窓会状態である。

講演の方は二部構成。前半は生物が持つ揺らぎの話。先生の御研究は筋収縮からスタートしたのだが、ミオシン分子がATPを分解するときに発生する張力の話から始まり、蛋白質1分子可視化、一分子生理学そして化学エネルギーと力学エネルギーのルース・カップリング(loose coupling)の話へ。

後半は脳の機能研究の話。こちらの研究テーマは現在進行中。先生は退官後も特任教授として大阪大学に残られ、他の研究機関と共同のプロジェクトを走らせつつ脳の揺らぎを解明される予定なのだとか。

その研究のスケールの大きさと面白さ。定年の歳になられても先生の御研究は頂点に未だ達せず。今後さらに優れた研究成果をお出しになるのではないだろうか。

講義終了後は懇親会。ご無沙汰している諸先生方にも挨拶できて何よりの懇親会。特に、自分が学生の頃に指導してくださった大先生と、自分が就職した頃に指導してくださった大先生に挨拶できたことは無上の喜び。

あらかじめ参加を表明していたので、オーガナイザーの方には領収書がわりの名札を作成していただいた。ひさしぶりにお会いした先生方から「今どこにいるの?」と尋ねられたときには、その名札を見せて「大阪大学・薬学部です」と答えた。その後で、「4月から学部4回生です」と言うとたいていのヒトは驚かれる。

自分の人生も大きく揺らいでいるなぁと思った、柳田先生の最終講義である。

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