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2012年6月 1日 (金)

涙が止まらない

1限は臨床薬学特論I。講義開始の8時50分に受講者の30%程度しか集まらないというのはいかがなものか。かくいう自分も49分50秒に滑り込むのだが。ちょっと先生に失礼。

この講義は緩和医療についての特論である。緩和医療というと痛みを和らげる医療、亡くなる直前のターミナルケアと思いがちだがそうではない。癌性疼痛の緩和を含め、抗がん剤治療に伴う副作用の緩和など体の様々な痛みや薬の副作用を軽減する医療である。

体の不快な状況が緩和医療により軽減されれば、患者さんの様々な負担も軽くなり再度生きる気力も湧いてくる。何かに取り組もうとする気力が戻ってくる。抗がん剤の副作用が他の薬剤により軽減されれば、もう一度がんと向き合ってみようかという気にもなれる。

必ずしも死を前提にした医療ではない。

さらに、ここでいう“痛み”は身体的な痛みだけではない。そこに心の痛み、精神の痛み、社会的な痛みを加え、全人的な痛みの緩和を目指すのが緩和医療だ。であるから、医師、薬剤師、看護師、栄養士、臨床心理士、理学療法士、ソーシャルワーカーなど様々職種がチームを組んで医療にあたる。

今日の講義のテーマは家族の痛みのケア。患者さんが亡くなった後の、家族に対するグリーフケアをどうするかという問題。

Griefとは深い悲しみの意味。悲しみの中では度合いの大きい部類で、死別による悲しみなどを意味する。患者さんの苦しみは死によって終わるが、残された家族の悲しみはそこでは終わらない。家族はその悲しみとどう向き合うのか、グリーフをどう処理するのか。

日本にはお葬式の後に初七日、四十九日、一回忌などを行う習慣がある。これも残された家族のためのグリーフケアである。

いわれてみれば納得。死んだ人には法事の有無などわからないハズ。明らかに残された人のための行事だ。

講義では例題文から痛みを緩和するための処方を考え、さらに、退院時処方をどうするかという問いにつなげる。最後に、家族のグリーフケアをどうするのか考える。

えぇ!それは臨床心理士さんの仕事では?という疑問がないでもない。患者さんから相談を受ける。これは薬剤師として現場で直面する問題で、「それは臨床心理士さんに聞いてくれ」と投げるのはダメな行為だそうです。

この年になると親の死を含め身近に死を実感する。臨床薬学特論という講義の中の薬剤師になるためというくくりではなく、人が持つべき人生のスキルとしてグリーフケアを身につけておきたい。

さて、この緩和医療の講義は例題の設定が生々しく、設定患者さんに共感した瞬間に涙腺がウルッときて困る。加えて講義最後にビデオを見せられるのだが、先週は

http://www.youtube.com/watch?v=y8OCgZGB0hA

を、今週は

http://www.youtube.com/watch?v=zb35TtsQncU

を見せられた。講義室のライトが消されたからよかったものの、明るかったら醜態をさらすところである。

100日連続ブログ更新挑戦中。34日目。

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